先日、長野県松本市にある
おっとぼけ美術館へおじゃまさせていただいた。
おっとぼけ美術館というのは
故宮田嵐村(みやたらんそん)氏の作品が
展示してある美術館の事である。
宮田嵐村氏を簡単に説明すると、信濃の民芸品、道神面の生みの親であり珠玉の下ネタを愉快に表現した作風が特徴の芸術家である。
ユーモラスでかつ童心を保ったまま大人に成長したような人という感じが私はした。
ちなみに写真のこちらは男性器と女性器を一つのお面にした道神面シリーズのひとつ
7月 ひらく であり
美術館の入り口で元気よく出迎えてくれる。
現在おっとぼけ美術館で館長の相澤さんは嵐村氏の作品と人柄に惚れ晩年幾度と交流し東北在住の方であったがいつの間にか松本に住まいを移し嵐村氏から作品や様々なお面の型を引き継ぎそして、現在は本業の傍らお面の作成とこちらの美術館の営業をしておられる方である。
何が何でも宮田嵐村氏のエネルギーを私は感じたかったが本業がお忙しくかつお面作成もある為、美術館が不定期で中々タイミングが合わなかった。
その為、私は相澤さんが精力的に出張おっとぼけ美術館を開催しておられる事を知り、さっそく諏訪での出張時、相澤さんに直接お会いし熱いおもいを伝えた。
すると、某日、特別に美術館を開けてくださる事に。
相澤さん達には心より感謝でいっぱいです。
本当にありがとうございました。
(これは、別日にあった 出張おっとぼけ館のチラシである)
当日、相澤さんが出迎えてくださり作品をゆっくり拝見させていただく。
館内には、お面はもちろんの事だが民芸品の他にも油絵や嵐村ワールド全開の詩集。
なんともまぁ、ユーモラスな空間である。
そして、作品の極めつけは嵐村氏が晩年どうしても作りたかった庶民館なる建物の銀行融資担当者に向けた緻密な設計図等の資料。
女性器をモチーフにした建物で中には舞台や迷路等、色々な楽しいコンテンツを盛り込んでいて嵐村氏が子供のようにはしゃぎながら書いては消してと時間をかけて描いた様子が目に浮かびとても愉快な気持ちに自然とさせられる。
ただし、残念ながらこの庶民館なる建物とても卑猥とのことで相澤さん曰く実現は叶わなかったらしい。
代わりにその時、銀行の融資担当者がアパートならば融資できると代替案を出し当初の形では無いが嵐村氏のおもいは別の形で現在も実現されている。
相澤さんは自分の事のように楽しそうに終始お話をしてくださった。
どの作品も展示に嵐村さんと相澤さんのあいが込められていて素朴で素敵な空間に仕上がっている。
作業部屋にも特別にあがらさせていただいたのだが、あたたかな風が相澤さん達、新たな芸術家達の背中を包みこむなんとも言えぬ空間であった。
万人受けは決してしないし
初デートにも向かないが、
自由な表現を思い出したい人
秘宝館が好きな人は是非とも訪れてはいかがであろうか。
せいきのはっけんするならば
あなたもわたしもいざゆかん
みんな大好きおっとぼけ!
【おっとぼけ美術館】
[場所]
〒390-0221
長野県松本市里山辺若里町3347−2
[営業時間]
土曜日14時~17時
日曜日14時~17時
(不定期の為、確認した方が良いかも知れません)
[詳細]
https://www.instagram.com/softkitchen/